チェリーガール

碧様……。


碧様……ど……こ……?


ひゅうひゅうと吹き荒れる風の音だけが聞こえる……。


と、私の意識がプッツリ途切れた。



▼ ▼ ▼ ▼ ▼


予備校の誰もいない教室。


カーテンは閉められていた。


部屋は薄暗い。


私は碧様を捜していた。


ガラッ。


教室のドアが開く。


碧様が入ってきた。


そうして、私の方に近寄ってきた。


私の目の前まで来る。


碧様は、鋭い眼光で私の瞳を射抜いた。


嫌……。


そんな目で私を見ないで……。


嫌、嫌、嫌……。


私、嫌われたくない……。


胸がつぶれそう……。


私は碧様から目をそらした。


下を向いて碧様の靴だけをただただ見つめる。


どうか私にヒドイこと言わないで……。


傷つきたくない……。


こわいよ……。


「君を軽蔑する」

その声は教室中に響いた。