チェリーガール

ははははは……。


猫……。


紛れもなく、それは猫……。


しかも、私が老人ホームの前で見た、あの白猫だった……。


碧様……。


雪ちゃんって……。


猫……?


「拾って育てたんだ」

微笑む碧様。


「あの時の猫……」


「子猫から中猫になったんだ」


「大きくなったけど覚えてるよ。あの時の猫だよね。可愛いな……」


「白いから『雪』って名付けたんだ」


「それで、『雪』か……」


「梨田さんも抱いてごらんよ」


碧様が私に猫を渡す。


私は温かい短毛の猫を抱く。


首には、赤い首輪が付いていた。


目が大きく可愛い顔……。


たしかに、ERENAより可愛いかも。



でも……。


雪って猫だったの―――――!?


……って叫びたい。


本当、絶叫したい気分。


私、雪のことで悩んだんだよ?


知ってるでしょ?


私が悩んでたの。