チェリーガール

「そうだ」


碧様が何か思い立ったよう。


何? 何?


「梨田さん」


日光が私の名を呼ぶ碧様を照らす。


何? 何? 


「雪ちゃんに会って帰って」


「雪さんに!?」


「うん」


「でも……私……そんな……何を話せばいいのか……」


「梨田さんは面白いなあ」

少し碧様は口角を上げた。


「どうして?」


「話はしなくていいよ」


「でも、感じ悪くない?」


「悪くない」


「そうかなー?」


「ちょっと待ってて」


碧様は、家の中に入ってしまった。


私、ドキドキしてきた。


激しい動悸が私を苦しめる。


雪と面と向かって何を話せばいいの?


わからないし、焦るよー。


どうしよー!!