チェリーガール

『オシャレしても可愛くない子』って……ヒドイ……。


そりゃ、私は可愛くないけど……。


「あんた、調子に乗らないことね。碧には、雪がいるんだから。雪になりたくてもなれないんだから。ふん!」


そう私に向かって悪態をついたERENAは、ぷんぷん怒りながら走って帰っていった。



たしか、さっきまで友達だったよね?


自分から友達になろうって誘っておいて、これはないんじゃない?


いったい、数秒前までの友情は何だったの?



「やっと、帰った」


碧様は安堵している様子。


私は、毛糸のパンツではなくてマフラーであることを伝えなきゃ!


「それ毛糸のマフラーなんです」


私、マフラーを指差して知らせる。


「マフラー?」


「はい」


「そうだったのか」


「はい。マフラーなんです」


「もしかして手編み?」


「はい。自分で編みました」


「そう」


碧様は、手編みのマフラーをじっと見ている。


その表情から感情を読み取ることはできない。


どう思ってるんだろー。


すごく気になるんですけど……。


ここで、告白しちゃおうかなー。


でも、家には雪がいるし。


私、100%フラれるな……。