チェリーガール

今、こんな時だけERENAが同士に見える。


おお、同士よ……って感じ。


私も『いらない』ってお決まりの文句言われるだろうな……。


そんなの編んでた頃からわかってた。


それがクールな碧様だもんね。


でも……。


愛してるんだ。


どーしても愛を込めて作った手編みのマフラー、受け取ってほしいんだよ。


碧様LOVE♡


そうだ!!


同じフラれ仲間であるERENAを慰めよう。


私は泣いてるERENAの肩を両手で掴んだ。


「ドンマイ、ドンマイ。めげないで。泣いたら、せっかくの美人が台なしだよ。私も同じこと言われるだろうから、たぶんダメだよ。はい、これ使って」


バッグからハンカチを取り出し、彼女に差し出す。


ERENAが驚いた表情でこちらを見た。


「あ、ありがと」


ハンカチを受け取るERENA。


「さっきは、上から目線でえらそうなこと言ってごめん」


ERENAは、素直に私に謝ってきた。


あんまり悪い人じゃなさそう。


「いいよ。私こそ気がついたら、タメ口利いてた。ごめんなさい。これからは、年上の人には敬語使います」


「いいよ、いいよ。気にしてないから。タメ口でいいよ。私たち、気が合いそう。私って友達少ないんだよね。ねー、友達になろうよ」


「え? 私とですか? 一般人ですよ」


「一般人とか関係ないよ。それに、敬語は使わないで。私たち友達になったんだから」


「で、でも……」


「モデルやってるけど、普通の人間だよ?」


「それは、そうだけど……」


「じゃ、さっそくメルアド教えて」


「うん」


というわけで、なぜか友達になって彼女とアドレス交換した。