「彼女のことを水原さんに聞かれた時に」


「聞かれた時に?」


「思い出して不愉快だったんだ」


「そうだったんですか。それは、不愉快になりますよね」


「それに、水原さんは」


「何です?」


「彼女のファンじゃないか」


「あ……それは……」

すだちの作り話。

真っ赤な嘘……。


「ますます頭に来た」


「そうですか……」

たまき誤解されてる……。


「こんなにひどい目に遭ってるのに」


「気持ちわかります……」


「彼女の味方だから」


「はあ。そうですよね」


「水原さんとは同じクラスだった」


「知ってます。1年の時でしょ?」


「あまり覚えてないんだけど」


「何ですか?」


「チャラチャラしてた気がする」


「あー。そうですか」


「僕はそういうの苦手でね」


「そうなんですか?」


「彼女と似ている」


「あー。系統が少し似ているかもしれませんね」


「いかにも軽そうだ」


「軽い子は嫌なんですか?」


「うん」