チェリーガール

『忌々しいストーカー女め』


その言葉が私の心臓に氷のナイフとなって突き刺さり、私の全身の血は氷結した。


もう、ダメ……。


生きていけない……。


私にとって碧様がすべてだったのに……。


私……。


死ぬよ……?






「碧~! 少し待ったぞっ。さっ、行こう」


今の私の暗い気持ちとは対照的に真後ろから妙に明るい声がした。


誰だろうと思って振り返ると、あの人がいた。


あの……碧様の彼女……。


ERENA……。



「もう二度と僕の前に現れないでくれ」


碧様は、私を通り越してERENAを見据えている。


???


なんで?


私に言ったんじゃなくて?


モデルのERENAに?


これ、どういうこと?



「もう、冷たいんだから。でも、そこが好き。私、諦めないよ」


ERENAは、満面に笑みを湛えている。


なんなんだろー、この人。


ここまで言われてるのに打たれ強い。


もしや美人でモデルだから自分に自信があって強いんだろうか?