チェリーガール

私、ゆっくり碧様の方へ寄って行く。


そして、目を合わせる。


「お、お先に失礼します……」


まるで恐い部活の先輩に挨拶するみたいに頭をまた下げた。


丁寧に深々とお辞儀。


そのまま碧様の反応を待つ。





「忌々しいストーカー女め」







……。


私、放心状態。


バレてたんだ……。


私、お辞儀したまま凍りついて固まった。


顔を上げられない。


こんな時、どんな顔すればいいの……?


メチャ嫌われてる……。


もう、死んじゃいたい……。


一気に地獄に落とされた気分……。


賢人の碧様が後つけてるの
気付かないはずがない。


ずっと、知ってたんだ。


私、なんでわからなかったんだろ……。


ストーカーなんかするんじゃなかった……。


こういうの自業自得っていうんだよね。


悲しいよ。


泣きたいよ。


でも、今は涙さえ碧様の冷たい言葉に凍りついてしまって流せない。


ただ、苦しい……。

それだけ……。


ダレカタスケテ……。