チェリーガール

二人は、ボールペンで書いていく。


【碧君と愉快な女たち】←ここだけ、たまき筆


    yuki
     ↑↓
心愛→碧君←ストーカーA子さん
     ↓↑
   ERENA



               作:すだち






「今のとこ碧君をとりまく女たちって、ざっとこんなところ」


たまきが、紙の上に手を置いた。


「未だストーカーの正体は掴めずか」


すだちが口惜しそうに言う。


 
私、努力してストーカー活動に励んでるのになー。


全然ダメ!!


手がかりナシ!!



「それにしても二股かー。やるね、あの色男。もっと複雑になっていきそう」


この現状をたまきは、面白がってる。


「碧様はそんな男じゃない!! プレイボーイじゃないから!!」


私が猛反論。


「どうだかねー」


からかって笑うたまき。


「それより、たまき! 碧君に後でもう1度、謝っとくんだよ!」


すだちがたまきに灸を据える。


「わかってるってー。後で謝罪メール送るから」


▼ ▼ ▼ ▼ ▼



日が落ちるのが早まったこの頃。


予備校のビルを出て、私は銀ねずみ色の夜空の下を歩こうとしていた。