突然の声に俺と計は振り返る。



声の正体は、少しハゲた、冷たい目をしたオッサン



「…加藤。」



加藤は頭を下げた。



彼も計と同じ大臣の一人




大臣の中でも、加藤は一番偉い統師の立場に居た




だから国王亡き今、政治は彼が全て治めている




「突然申し訳ありません。湊様にお話がございまして。」



「話?」



俺はコイツがあまり好きじゃない



多分、加藤も俺の事を好いてはいない



なのに、今更話?




「先日、ある薬屋で海の民が出没したとの情報が入りました。」