「おはよ、莉子。」



マンションの前で待ってたら、いつも通り司が自転車でやって来た。




「あれ?湊まだ寝てんの?」



「やだなぁ、違うよ。」




私は自転車の後ろに乗った。



司も分かったのか、自転車をこぎ始める。




柔らかい風が、頬を掠めた。



「そっか、今日だったんだな。」



「うん…。」




司の背中にしがみついて、私は小さく答えた。