見上げた、時計台の中



鐘が飾ってある、その前に




自分達の王…空の王と海の姫が手を繋いで立っていた。




「湊さん…!?」



「姫様!」



ザワザワとざわめきが聞こえる。




俺は繋いだ手をもう一度強く握りしめた。




「これより、空の民と海の民は争う事を止め…共存への道に進む事になった。」




俺の言葉により一層ざわめきが増す。



「こんな戦いに、何の意味もないんです。私達は同じ人で…それ以上何者でもないんです。


私達は最初から、助け合って生きていくべきだった。」




強く握ったその手は



微かに震えていた。




「でも、今からでも遅くない!私達は共に助け合って生きていける。私と彼が、その証人になる。」