沢山の土煙が舞う



人々の罵声や、剣の交わる音



倒れている、血を流した空の民と海の民



戦いは、互角のまま長い時間が過ぎていた。




「どうしますか、加藤さん?」



一人の大臣が、城から時計台広場を眺める。




戦場と化したその場所を



加藤はじっと見つめた。



「このままでは防戦一方です。いずれ、奴等はこの城に…。」



「…。」


加藤は目を瞑り考える。



状況をいっぺん出来る、素晴らしい案




「あれを見てください!」



一人の衛兵が時計台を指差した。




戦場の中の時計台



その中に見えた、二人の人物



「湊様…!?」