莉子は切れた息を整える。 俺は何も言わないまま 静かに剣を降ろした。 「…?何の真似…?」 そんな俺の行動を見て、莉子は警戒する。 「俺は、お前らの事何も分かってなかった。どこかで、海の民との争いを歴史上の出来事に変えてた。 海の民の苦しみは、今も続いてたのにさ。」 莉子は首を傾げる。 そんな莉子を俺は真っ直ぐ見つめた。 「殺せよ、莉子。」