「加藤!!」



バァンと激しい音を立てて扉は開く。




「…湊様。」



まるで来ると分かっていたかのように




加藤は冷静に俺を見た。




「お体の調子は大丈夫なのですか?」



「んな事どうだっていい!今すぐ軍を止めろ!」




俺の要求に加藤はわざとらしく首を傾げた。




「なぜそのような事をする必要が?」




「海の民との戦争なんて意味ねぇよ!こんな事したって何も解決しない。」




乱れる息を整えずに言ったせいか、空の加護を奪われたせいか




俺の体は小刻みに震えて力が入らなかった。




「ですが、もう敵は動き出しています。このままいけば、時計台広場で我々は衝突するでしょう。」