「ちょ、待ってください!」



静かだった、城の中



計の声が一気に響いた。




「加藤さん…本気で海の民と戦う気ですか?」



その言葉に、加藤は足を止めた。



「奴等は順調に準備を進めている。我々も迎え撃たなければいけないだろう?」




「しかし…海の民との戦争なんて誰も望んでない!それに、奴等の長は…莉子だっていうじゃないですか!」




『莉子』




加藤の肩がピクリと反応した。




「莉子が、俺たちと戦う事を望んでる筈がない。それに、戦えば国王様の意思が「黙れ。」


「!!」計は冷や汗を流した。



「君は湊様と親しいようだが…今この国を治めているのは私だ。私に逆らうのなら、反逆者と見なす。」