莉子



その単語に俺は全てを思い出した。



「莉子…あいつが?」



佐々木はゆっくり頷く。




「…まさか莉子が、海の民だったなんてね…。」




「佐々木も、知ったのか…。」


よく見たら、佐々木の目は赤くなっていた。





ーーあなたを倒すーー




莉子のそんな言葉が頭に過った。



「俺…いかねぇと!」



ベットから抜け出そうとした時




少しふらついた。



そんな俺を佐々木が支える。



「駄目だよ!すごい熱があるんだよ!?」




「けど…莉子が…。」




「もう遅いよ…争いは起こってしまう。」