莉子の声を無視して、俺は野次馬の中を進んだ。 ザワーー野次馬達のざわめきも増す。 「み、湊さん…!?」 主人が驚いたように俺を見た。 俺はその視線を無視して、薬を取ってその子の前でしゃがんだ。 「ホラ、薬。」 「「!!?」」周りのざわめきが一層激しくなった。 「金はいいから、この薬持ってさっさと母ちゃんとこ帰りな。」 「ちょ、湊さん!」