「ハァ…ハァ…。」



私は蒼我君を連れて、建物の影に隠れた。




私と海の民が一緒に居るのが皆に見つかって




今では、トメさんだけでなく街の皆が私達を追っている




「蒼我君、大丈夫?」



「あぁ…。」



息を整えながら、蒼我君は頷いた。




けど、実際は辛いに決まってる




「ごめんね、こんな事になっちゃって…。」



私に湊みたいな力があったら



蒼我君がこんなに傷つく事も無かったのに




悔しい



ずっと湊と一緒に居たのに




「やっぱり私は無力だ…。」