「湊…。」 間に合わなかった 今…嫌でも思い知らされた 湊の中に、私は居ないんだ 「ぅ…っ。」 そう自覚した瞬間、溢れ出てくる涙。 当たり前だ 湊はのんちゃんのもの 私なんて…只の幼なじみなんだから… 「…刈谷。」 声と同時に、西脇君に後ろから抱きしめられた。 「っ…西脇く「泣いていいよ。俺が側に居るから。」 ギュッと強くなる腕。 廊下には、只私の嗚咽だけが響いていた。