「うーん…。」 手に持った海色の華を見ながら、私は何回目か分からない溜め息を吐いた。 もうすぐ部屋に着く という事は、湊の部屋の前を通るという事で 「これを渡さなきゃ…。」 あの子が、命懸けで湊に届けたかったものだし コッチの私情であの子の苦労が水の泡とか笑えないし 一瞬…パッと会ってサッと帰ろう! 決意が固まった瞬間、エレベーターのドアが開く。 私はいつも通り、部屋に向かって進んだ。 「えっ…?」