瞬間



ドアを閉める手が止まった。



「は?」



お前今…何を?



「塚野君に莉子を紹介するの。別に付き合って無いんだもんね…いいでしょ湊君?

それとも、あの噂が頭に浮かんだ?」



佐々木が言う噂




塚野の、主な噂は只一つ




女遊びが激しい事




恋なんて感情は無く、やる事やって捨てる




只、それだけ




それを、莉子に?




「っ…てめぇ!」


怒りが沸々とこみ上げてくる。



けど佐々木は冷静に、クスッと笑った。




「止めてほしい?…湊君ならどうすればいいか分かるよね?」