彼は確か、この前お母さんの為に薬を求めていた海の民の少年




あの時、湊は彼を助けたんだ




「何でここに…?」



「あんた、あの時の姉ちゃん?」




彼の質問に答えず、私は辺りを見回す。




よし、誰も居ない…




私は彼に近付いていく。




「今なら誰も周りに居ない。見つからないうちに早く帰った方が良いよ。」




他の人達に見つかったら、またこの子が迫害される




湊みたいな力の無い私には…この子を救えない




「なぁ、あんたあの兄ちゃんと知り合いだろ?」