故に今日の下校時もつきまとうという始末なのである。


「だから何時も言ってるだろ、俺は忙しいの。他当たれよ」


「そんな事言わないでよ~僕と真田くんの仲じゃないか~頼むよぉ」

…いつそんな仲になった…あぁウゼェ…


「真田くんさえ入ってくれれば規定人数に達するんだよ~」

「今年が駄目でも来年があるだろ?俺らまだ二年だぜ?」

「でも去年は結構評判だったし、今年も期待している人もいるだろうし…」


…そんな評判いい部活がなんでお前一人なんだよ…はぁ~どうにかして断らないと後々大変だな…


「ホントにマジに忙しいの。これからバイトだし、それに文化祭は、か…彼女と回るからどっちにしても参加できないんだ。ホント悪ぃな。じゃ俺はこれで…」

そう言って帰ろうとする真田の背後で、服部の眼鏡が妖しく光る。
「へぇ~バイトかぁ…三日前に辞めたばっかなのにもう新しいバイト見つけたのかぁ」


「!?」

真田はろうばいした。
更に服部は続ける。

「一緒に回る彼女かぁ…先月二組の秋山茜ちゃんにフラれたばかりなのにもう新しい彼女が出来たんだぁ。モテる人は良いねぇ~」


コイツ何処まで知ってやがる…


この後の10分間、真田は服部のくだらないお喋りに付き合わされた。