ピッ、ピッ、ピッ…


「ありがとうございます。お会計、853円でございます」

「ハーイ、ハイハイ、ちょっと待ってね~」

…ん?…あら…?財布…何処だ…?


それは遡ること15分前の事だ…

俺は小腹が空いたので酒とオツマミやカップラーメンを買いにコンビニに来た。

何時もはそれくらいなら我慢するのだが、何故か今夜に限ってどうしても「緑の丼兵衛」が食べたかったのだ。

俺は風呂から出て、濡れた髪にタオルをバンダナ巻にしてチャリを飛ばす。

目指すはアパートから7分の場所にあるコンビニだ。

さて、何買うかな…

ガーーーー

「いらっしゃいませ、こんばんわ~」

俺は何時ものようにカゴを手に取り、冷蔵ケースからお気に入りの発泡酒を取り出して放り込む。

そしてカップ麺コーナーに行きがてら、オツマミコーナーで百円のスルメをカゴに放り込む。

さて次はお目当てのカップ麺だな。

お、なんか新しいの出てるじゃん。これにしてみよっと。

さてと…じゃぁとっとと会計済まして帰りましょかね。

「いらっしゃいませ~」



…で今に至る訳だ。

財布忘れてるわけないよな…だってジーンズのケツポケにいれっぱだしな…

ジャンバーのポケットか…?

うーん…無いか…

「如何なさいました?」

「な…なんでもないです…ハ…ハハハ…ちーっと待っててくださいね…」


うわ…このバイトめっちゃ見てるよ…

俺は必死で考える。仕事から帰ってきて家でどうしていたか…