――――私の父親は、私が小学校に上がる前に事故で亡くなった。 …その日は雨の強い日だった。 それからしばらくは、母と二人で慎ましやかながらも幸せに暮らしていた。 小学4年生のある雨の日、母は仕事先で出会ったという恋人を家に連れてきた。 …それから、変わった。 母は家に寄りつかなくなり、最低限のお金だけを置いて恋人の元に通うことが多くなった。 給食費とか修学旅行の積立金とか、必要なお金をきちんと払ってくれたことは感謝している。 でも、私自身のことは全く見なくなったのだ。