イチゴのケーキ。 たぶんあれは、誕生日プレゼント。 そして彼。 …憧れていたものが、今、手の届くところにあった。 「…全部、私の?」 「そう。ぜーんぶ、菜月のだよ」 ―――初めて知った。 嬉しくても涙は出るんだ。 本当に嬉しいときは、声も出なくなるんだ。 私は、松島千尋の腕の中声も上げずに泣いた。