そう叫ぶ声に、私たちはその方向に視線をやる。 すると、そこには肩をわなわなと震わせて立っている坪井陽菜の姿があった。 「どういうつもり!?松島さんったら、よりにもよってこの女と…」 そう叫ぶ彼女に、松島千尋は静かに言った。 「だから言ってるでしょう、俺彼女いるからって」 私を抱き締める腕に力を込めながら、彼は続けた。 「―――坪井さんと違ってさ、この子からは化粧品の香りなんかもしないし抱き心地もいいんだ。…もう、勘弁してよ」