私たちが付き合っていることは隅田先輩以外誰も知らない。 もちろんあの―――坪井陽菜も。 私は怖かった。 彼女が本気で松島千尋に迫っていったら私はきっと負けてしまう。 …やっぱり、自信はないのだ。 ―――そんなことを考えているうちに、時刻は午後6時を過ぎていた。 どうしたらいいかわからず、とりあえず開発センターの入口のそばにいると向こうから誰かがやってくる。 …松島千尋だ。