はてさて、俺のことはあらかた話してしまった。
残る年数は5年。
特に何もなかったと言ってしまえば、それで終わる密度である。
ハリーにそう言っても、ハリーは俺のことを聞きたがった。
兎にも角にも、話すことにするか。
人は誰でも、自分なりの嗜好を一つ二つ持っているものだ。
俺の場合、それは酒だった。
どの銘柄がどうと語る舌は無いが、酒が好きだった。
俺は大学生の半分を、酒を飲んで暮らしていたといってもいいぐらい飲み会に参加した。
二十歳を過ぎてからの飲酒が正しいのだけれども、多くの酒飲みがそうであるように、 俺も高校を卒業してから飲み始めた。
最初の一年は飲んでは吐いてを繰り返していたが、一緒に飲んでた奴が急性アルコール中毒で運ばれて以来は、吐く直前で抑えるように心掛けるようになった。
そうして飲ん兵衛として大学を過ごし、会社に入っても酒を飲んで過ごしてきた。
思えば、酔っ払って彼女の家に上がり込んだのも一度や二度じゃない。
あいつはそんな俺を黙って介抱し、愚痴を聞いてくれていた。
そう思うと、急に彼女が恋しくなってしまった。
喧嘩したことなど、俺の頭からは消えていた。
「ただ、彼女に会いたい」
気が付くと、俺はハリーにそう漏らしていた。
残る年数は5年。
特に何もなかったと言ってしまえば、それで終わる密度である。
ハリーにそう言っても、ハリーは俺のことを聞きたがった。
兎にも角にも、話すことにするか。
人は誰でも、自分なりの嗜好を一つ二つ持っているものだ。
俺の場合、それは酒だった。
どの銘柄がどうと語る舌は無いが、酒が好きだった。
俺は大学生の半分を、酒を飲んで暮らしていたといってもいいぐらい飲み会に参加した。
二十歳を過ぎてからの飲酒が正しいのだけれども、多くの酒飲みがそうであるように、 俺も高校を卒業してから飲み始めた。
最初の一年は飲んでは吐いてを繰り返していたが、一緒に飲んでた奴が急性アルコール中毒で運ばれて以来は、吐く直前で抑えるように心掛けるようになった。
そうして飲ん兵衛として大学を過ごし、会社に入っても酒を飲んで過ごしてきた。
思えば、酔っ払って彼女の家に上がり込んだのも一度や二度じゃない。
あいつはそんな俺を黙って介抱し、愚痴を聞いてくれていた。
そう思うと、急に彼女が恋しくなってしまった。
喧嘩したことなど、俺の頭からは消えていた。
「ただ、彼女に会いたい」
気が付くと、俺はハリーにそう漏らしていた。

