グリーンライダー

 それから少しずつ、俺はハリーに自分のことを話していった。
 ハリーはたまに相槌を打つ以外は、特に何も言わずにただ微笑んでいた。

 小学生の頃を思い返してみると、何故だか幼稚園の時の友達と疎遠になっていたような気がする。
 理由は判らないが、全く遊ばなくなっていた。
 そして特に何もなく、小学校6年間は過ぎた。
 正確なことは判らない。
 ただ、記憶にない。
 自分が記憶喪失だと、疑ってしまいそうなほどだ。
 全体的に印象的だったことは、何でもないことに過剰に反応していた年頃だったと思う。
 中学生になった。
全体行動などを通し、社会に順応させようとする期間である。
 この時、俺は少し遅い初恋を迎える。
 今になって考えると、彼女のどこに魅かれたのか皆目見当がつかない。
 だが、嬉し恥ずかしい気持ちは確かに、俺の中に残っている。
 後は、そこそこの運動部に3年間いたぐらいだ。
 そして高校生になった。
 何事もなく、3年間を過ごしたような気がする。
 俺の学生の時は、昔流行った不良ブームも過ぎて平和そのものだった。
 喧嘩もしたことがない。
 時々、羽目を外した以外には目立ったことはなかった。

 と高校までを語った俺は、何か妙な違和感を感じた。が、その時はさして気にすることはなかった。