「・・・なんで?」
少し冷静さを取り戻したが苛立ちは残る。
なんで奏があたしを止めるの?
ただただ、その疑問があたしの体中を駆け巡っていた。
「あの女が敵かもしれねぇからだ」
「はぁ?意味分かんないし」
「言ったとおりだ。」
麻友華が敵?
バカみたい。麻友華がスパイなんてありえない。
麻友華はあたしの友達だもの。
そうだよ。
奏は麻友華の事をよく知らないからあんな事が言えるんだ。
「絶対ないから。だから離して」
「絶対はねぇ」
「あるよ!だから退いて!」
この様子だと奏は退かない可能性が高い。
強行突破しかない。
あたしは身を縮めて奏の脇の下をすり抜ける。
小さな体って案外便利。
無事、ドアの外に出れ、あたしは走る体制に入るがすぐに腕を掴まれる。
