青空を見て




「空。お前さ何かあったろ。」



…え?

考えもしなかった返事がきて

あたしは思わず秋山を見つめてしまった。


すると秋山はあたしの瞳を見て

何かを見透かすかのようにこう言った。


「久しぶりに会ったけどお前痩せた。

 ほんとに、ちょっとだけど。

 前に会ったときより元気ないぞ。」


…あたってる…

確かにあたしは前に比べて

体重が落ちた。

と言うよりも全体的に細くなった。

でも、それはほんのちょっとで

お母さんさえも気が付いていないのに

何で秋山なんかが…


むかつく。

こんな最低教師が

あたしの些細な変化に

気が付いたのだと思うと

怒りと屈辱感が押し寄せてきた。



「あの、あたし何にも無いですから

 勝手に変な妄想しないでください。

 こんな話ならあたし教室いきます。」



むかついたあたしは

ソファーから立ち上がった

こんな奴とはもう一緒に居たくない。


急いで扉を開けようとしたときだった

秋山があたしの腕をつかんで言った。


「なぁ、空。

 お前が俺のこと嫌いなのは知ってる

 けど、お前は俺の教え子だ。

 お前に何かあったのかな

 とか思ったら心配なんだよ。

 いつでもいいから。

 俺は待ってるから

 何でも話しに来い。

 一人で抱え込むなよ。



 …じゃ、行って来い

 ちゃんと勉強しろよ。」



あたしは無理やり秋山の腕を振り払うと

一度、秋山を睨んでから

走って準備室を後にした。