恋日記

「どうしたらいいか分からんやないかい」

「っ!?」


下校の時間になり帰りの用意を終わらせた桜に同時に後ろでボソッと呟いた。


ゆっくり振り向く桜。



「はい?」

「ぬーん」

「どーん」

バスッ


これまた見事な鳩尾(みぞおち)攻撃。


「ひでぶっ…。グッジョブ…」

「何がやねん。意味分からんすぎて
こっちがどうしたらいいか分からんやないかい」

「そうですね」

「流すなぼけ」

「はい…。かくかくしかじか…」


ということで説明致しました。


「あんれまあ…」


驚く様子の桜さん。


「まさかあんたのこと好きな
物好きが現れるとは…」

「はっ…ああああ!?」

「何今の間」

「…真顔」

「意味分からんわ。
で、きっと告白だよきっと。
いや、違うかも。99%の可能性は、きっと
『いつの日かのあなたの歯にのりが着いてましたよ』
てきな、残念な感じのカミングアウトで
残りの1%は告白かな」

「えっ!?ちょ、え?お?のり?」

「うん、のり」

「何故のり!?」

「のり着いてたら恥ずかしいじゃん。
言うのも着いてる方も。だから」

「だからって…。はっ!まさかこの前
着いてたとか!?」

「…」

「何その不吉な間!
ちょっと!真顔はやめなさい!」

「…真顔」

「ちょ~!
真似はよしなさい!」

「で?」

「で?って?」

「色んなパターン考えときなよ」

「あ、はい」

「…真顔きも」

「……。」