50年も何も食べてもいないのに特別お腹も減るわけでもなくて、私は本当に生きているのか不思議だった。
寝ている中でとても懐かしい夢を見た。
龍之介が真っ赤な顔をしてプロポーズをしてくれて、2人で一緒にいる夢。ずっと2人でいたかったな。龍之介との子供がほしかったな。
そして、私を呼ぶ声が聞こえたと思い目を開けると髪が真っ白になってシワがたくさん増えた私の愛しい人。
もう逢えないと思っていた。
もう、無理だと思っていた。
龍之介とまた逢わせてくれた辰巳に心の中で感謝をした。
「…結婚せずにずっと待っていてよかった…」
辰巳が部屋を出て行ったあとで、龍之介はそんなことを言ってくれた。
迷惑をかけた私を50年も待っていてくれるなんて、相変わらずお人好しだよ。

