龍之介さんは、いつの間にか薫子さんについて行ったようでいなかった。 多分着物を着付ける手伝いをしているのだろう。しばらくすると、真紅に染まった綺麗な着物を身にまとった薫子さんと龍之介さんが戻ってきた。 「…早く、早く東雲華のところに…」 「……なにか気になることがあるんですか?」 そう聞いても、薫子さんは答えてくれなかった。 龍之介さんは何か聞いたのか何も口を挟まなかった。