「もう、大丈夫?」
「う、うん。ありがとう」
泣き終えると何だか恥ずかしくなり、また顔を伏せてしまう。
少女は、気にしてないようでまたたい焼きを食べ始めた。
「なんで、君は僕が東雲の人間だって知っているの?」
「父さんからよく聞いている」
少女はたい焼きを全て食べ終えたようで、小さな紙袋を潰してゆっくりとブランコをこぎ始めた。
「東雲の息子は自分の胸にたくさん溜め込んでいそうだ、でもあの息子がいるなら東雲は安泰だろうな。だから、お前も負けないように実験をしろよ」
私は、静かに少女の言葉を聞いていた。

