「なぁ、だれがバカなんだ?」 ポケットから取り出したたい焼きを頬張りながら聞いてきた。 私は、遊具から離れその少女と向かい合うように座った。 「小さい子に話すのも変だけど、僕の父さんと母さんは僕の意見なんて聞いてくれないんです。毎日毎日勉強で、だから僕は……」 「にげだしたのか?」 「っ」 図星をつかれ思わず固まってしまう。 顔を下に向けていると、髪を掴まれてたい焼きを口に放り込まれた。