ぽつりぽつりと涙が手紙の上に落ちていく。 父さんと華さんの言うとおりだった。2人は幸せだった。2人とも最後の願いは【逢いたい】。それが叶ったんだ。 僕が今『幸せでしたか?』と2人に聞いたらきっと笑顔で『幸せでした』と返してくれるだろう。 僕にもいつかできるのかな? 愛する人、運命の相手が。 薫子さんが叶えることができなかった【幸せな家庭】。絶対に作りたいと思った。 僕は2人の手紙を手に取り、半年ぶりに外に出た。