―次の日―


「えぇ??!
さゆ中野さんと
デート行くの??!」


…そんなにびっくりする
ことかなあ


「水族館」


あたしがそう言うと
さえこは納得したような
顔をした。


「水族館行きたかったの??」


「うん。」


水族館に行きたい。
魚が見たい。

ただそれだけ。


「さゆさぁー、
中野さんと
デートってことより
水族館の方が楽しみでしょ??」


え…。


「いや
中野さんとのデートも
楽しみだよ??
…水族館だから。」


さえこは
ほらーー!!と
あたしの肩を叩く。


「さゆ??
中野さんとの
デートだってこと、
絶対忘れちゃだめだよ??」

「はーい」


約束はできないけどね、笑


「え、なになに??
さゆちゃん
男とデートすんの??」


何か聞き覚えのある声。


「だれ??」


笑顔で聞くさえこ。


ぱっと顔を見ると
昨日下駄箱で
話しかけてきた人だった。