あれからもう1度眠って、次に目を覚ましたのが夕方の5時だった。
「・・・寝すぎた」
重たい体を起こして、カーテンを開けた。
アタシが住んでいるアパートは、何気にきれいな外観で、部屋も広いわりには家賃も安い。
アタシの部屋の窓からは、夕日がきれいに見える。
その真っ赤な夕日を見つめながら、机の上で携帯が鳴っているのに気づいた。
どうせ、バイト先かな。
その予想は外れて、萌佳だった。
「もしもーし」
『もしもし??香乃ぉ、早く出なよぉ。心配したじゃーん』
「ゴメンゴメン。何??」
『今日、香乃ってバイトだっけ?』
「今日、今のとこオフだけど。どこか出かけるの?」
『うん!!アタシの、前からの男友達なんだけど、車出すから出かけないって誘われて。香乃、行こうよ!!』
別に、いっか。
バイトがないなら、どうせ家にいるだけだし。
「いいよ。じゃあ、どうすればいい??」