「・・・・。お願いだから。忘れて」



頑張って顔隠してるけど、絶対顔真っ赤なのバレてる。


アタシ、何言っちゃってんの・・。





「本気だな?」



嘘なわけない。


嘘だったら、こんな胸が苦しいはずがない。





「・・・・・ぅん」





そう答えると、涼は黙ってまた力強く抱きしめてきた。



そうされるのが、とっても嬉しい。



ずっとしていてほしい。




「りょっ、涼?」




「俺。今日、香乃に出会えてよかったって言ったよな?」



「うん・・・」



「あれ、素直にそう思った。さっきだって。香乃がどんな子だなんて、正直に答えたかった」




「・・・えっ?」