「ドコ行くの?」



萌佳が弘に聞いた。


「んー。お腹減らない?」



「減ったぁ!!!もぉ、今なら何でも食べられるよぉ」


「よかった。おいしい店知ってるんだけど、そこでもいいかな?」



「全然大丈夫っ!!楽しみぃ」




萌佳は楽しそうだった。

まぁ、とにかく分かりやすい。





「萌佳、絶対弘狙いだよなぁ」


小さい声で涼がそう言った。


やっぱ、どこから見ても分かりやすい。





「うん。まぁ、本人が幸せそうだから、いいんじゃない?」


「あぁ。弘、面倒見いいしな。妹っぽいんだろ」


「うん」


「なぁ、香乃」



「何??」



「さっき、どうした?何か、顔が怖かったけど」




あぁ。家、出てきたときか。