「ちょうど僕達が婚約の約束をした頃・・・僕達のことが噂で流れていたんです。」

私は黙って先生の話を聞いていた。

「それで院長に呼び出されました。」


そんなことがあったなんて・・・・。
それで私が病院に行ったときに変な目で見られたりしたんだ・・・・。



「そこで院長に別れるように言われました。でも僕は別れたくありませんでした。」



私はうなずいた。


「でも・・・そうしなければ結衣さんが病院で変な目で見られることになって啓介くんのお見舞いにも来れないだろうと思いました。」



「だから別れようと言ったんです。」



私は泣き出していた。

こんなにも私のことを考えてくれたなんて・・・・。
裏切られたなんて・・・私が助けられてただけだったんだね・・・。