私達はしばらく抱き合っていた。
先生の柔らかい髪が私の頬を撫でる。

それだけで私の体は反応してる。
それくらいに緊張してて・・・


「先生・・・っ。」
私がそう呼ぶと先生は私を離して微笑んだ。

「もう・・・先生って呼ばないでください。」
「はい。・・・透さん・・・。」


慣れない響きが恥ずかしくて思わず笑ってしまう。



「結衣さん・・・僕ずっと考えてたんですけど・・・・。」
「はい・・・?」


突然の先生の真剣な表情に私も笑うのをやめた。

「啓介くんが退院したら・・・結婚してくれませんか・・・?」


「け・・・っこん・・・・?」
私は戸惑ってその言葉を繰り返した。

「はい・・・嫌・・・ですか?」
先生・・・じゃなくて透さんが不安そうに聞いた。


「いやっそうじゃなくてっ・・・・嬉しくてっ・・・。」
私の目にはまた涙が浮かんでいた。