「結衣さん。今日も来てくださったんですか。」
先生は優しく微笑んでくれる。
「はい。啓介に寂しい思いをさせるわけにはいきませんから。」
「立派なお母さんですね・・・。」

いつもこんなふうに他愛もない話をするだけだった。
あの日の夜のことは・・・私達が1つになったあの夜のことはどちらが決めたというわけでもないがタブーになっていた。




「あの・・・少しお話があるのですがお時間よろしいですか?」
「あ・・・はい。」

そう言われた瞬間私の胸は飛び上がった。
心臓が急にドキドキ言い出した。


なんだろう・・・もしかして・・・・??



私は期待に胸を膨らませて病室の外へ出た。