私達は啓介を通じて1週間に1回は必ず病院で会っていた。
その度に他愛もない話をしながら私達は少しずつ惹かれ合っていた。
でもお互いそのことを気付かないように無意識にしていたのかもしれない。


「石井先生。この間啓介がまた発作を起こしたんです・・・。最近よく発作が起きるのですがどうしたらいいですか・・・?」
「ああ、それなら家の中をこまめに掃除してハウスダストを減らすことも大切ですよ。身近にできることですから心がけてください。」

いつも優しく私の話を聞いてくれる。


「先生!!僕こないだ友達と海に行ったんだよ!!それでね・・・」
啓介も先生が大好きでいつも学校や普段の生活であったことを楽しそうに報告する。


これが私達の『当たり前』になっていた。
まるで家族みたいな・・・