旅立ち



優真「雪、緊張しないの?」


突然の言葉に驚いたけど


雪「別に緊張はしてないよ?あっもうすぐ私ん家だよ」


すると優真はぴたりと足をとめた。



雪「どうしたの?」



優真「雪、おいで?」



とさっきみたいに優真は手を広げていた。



雪「えっ」



オロオロしながらもそっと

背の高い優真にギュッとした。

実はさっきもちょっと

ギュッてしたいと思った。



嗅いだことのない人の香りとぬくもり

わたしの寿命は縮まるばかり…




少ししてそっと離れた。



優真「雪も…緊張した?」



雪「だっ…だってっ…なんでもない!」



プイっとそっぽを向いたのは
赤くなった顔を見られたくなかったから。




きっと私はすでにあなたに


恋をしていたんだと思う。




その時のあなたの顔は
マスクをしていてわからなかった。


あなたは
どんな表情をしていたの?