旅立ち



すると坂の向こうから足音が聞こえてきた。


もしかして…


と思って振り返ると



制服を着てマスクをつけた
いかにもサッカー少年らしきひとが


ビクっとしてその場に立ちどまっちゃっている。


雪「優真…?」


するとその男の子は恐る恐る近づいてきて



優真「雪?」



といった。




わたしはとっさにマスクをはずして



雪「私、声枯れちゃってるんだぁ…あはは」



優真「えっ?!大丈夫なの?」



雪「大丈夫だよお」



こんな優真の些細な優しさが
凄く嬉しかった。






雪「向こうに公園があるから行かない?」


優真「うん。いいよ」






話をしていると緊張がだんだん解けてきて
会話が弾むようになって、


夕方で暗くなった公園についた。