「覚悟はあるのか」

 私はセシエルほど甘くはないぞ。

「おう!」

 胸を張って応えたライカに呆れて溜息を吐く。

 この状態で二年もハンターを続けていて、ほぼ無傷という事に驚きだ。

 本当ならば死んでいたっておかしくはない。

 他のハンターとあまり接触がなかったことと、仲介屋がかなり出来る男だったことが幸運にもライカを生きながらえさせていた。

 これはお前の仕業か、セシエル──まるで、何かに導かれたようじゃないか。

 見えない何かが、その導きを引き離すまいと必死になっているように思えてベリルは目を眇めた。